外科手術によるED解消は効果あり?

ED治療法には外科手術を用いた方法もあります。一般的にED治療で用いられる外科手術は大きく分けて3つ。動脈性EDに対する手術、静脈性EDに対する手術、そして陰茎プロステーシス移植術です。それぞれの手術の特徴を見てみましょう。

動脈性EDに対する手術

動脈性EDとは狭窄や閉塞により陰茎への血液の流入が十分ではなく、勃起ができない症状。これを解消するには健康な血管を用いて流入をアップさせるバイパス手術、カテーテルにより閉塞を取り除く血管拡張手術などがあります。これらの手術により陰茎への血液の流れが良くなり、EDが解消されるというものです。手術には4時間前後かかると見られ、失敗も多い手術です。成功率は50%程度。

静脈性EDに対する手術

静脈性EDとは陰茎からの血液の流出を調整する機能の異常で、血液が陰茎から流出してしまうため勃起を持続できない症状。これを解消するには深陰茎背静脈の切除や陰茎脚結紮手術などが用いられます。動脈性EDの手術に比べ身体への負担が小さいですが、術後1年以上経過しても手術の効果が持続している割合は50%以下となっています。それ以外は新しい静脈が成長して再びEDとなってしまいます。

陰茎プロステーシス移植術

陰茎にシリコンや器具などをいれ、擬似的に勃起状態を作り上げる方法です。この手術はED解消のための最終手段と言われ、他の治療法でも効果がなかった場合に用いられるのがほとんど。この手術を行ってから他の手術をやってみる、ということはできず、術後は器具が挿入されていることがあり自然な勃起ができなくなりますし、やっぱり手術前の状態の方がいい、と思っても元に戻すことはできないのです。主な手術方法は2つあります。

ノンインフレータブル陰茎プロステーシス

水をもちいて擬似的に勃起状態を作る方法。陰茎にシリンダー、陰嚢にポンプ、腹部に水を貯めておくタンクを埋め込みます。勃起させたい時には陰嚢内のポンプを押すことで水を流入させて勃起状態を作ります。弁を緩めると水がタンクに戻り正常な状態に。

インフレータブル型プロステーシス

陰茎内に曲げ伸ばしができる棒状の器具を挿入する方法。勃起させたい時には折り曲げている状態の器具を伸ばし、不要になれば折り曲げるだけです。手術は日帰りでも可能です。ただし、通常時も折り曲げているだけで硬いままなので邪魔に感じることも。

外科手術の副作用やデメリットはあるの?

外科手術である以上、少なからずリスクはともないますし、副作用やデメリットもそれぞれあります。共通するデメリットとしては、術後は性交が数ヶ月できなくなるという点です。

動脈性EDの対する手術 陰茎亀頭の過血流、陰茎のむくみ、持続性勃起症、陰茎知覚低下など。
静脈性EDに対する手術 陰茎背神経障害、陰茎包皮のむくみなど。副作用ではありませんが、術後新しい静脈が成長し再びEDとなってしまうこともあります。
陰茎プロステーシス移植術 感染症など。その他器具の故障、脱出により、再手術が必要になります。また自然な勃起の回復が不可能になります。

気になる手術費用は?

外科手術の費用は、その病院・クリニックにより異なります。ですが、数十万円はかかるものと思っていたほうがいいでしょう。

動脈性・静脈性EDの手術費用 約20~30万円
陰茎プロステーシス移植術 約60~80万円

(※クリニックにより異なります)

外科手術のまとめ

外科手術によるED治療外科手術は成功すればEDの原因を根本的に解消することができます。

ただし、動脈性ED、静脈性EDの治療法は成功率が50%ですから、手術をしたからといって必ずEDが解消するとは限らないのです。ましてや陰茎プロステーシス移植術などは器具を挿入するため、後戻りできなくなるので、安易にできるものではありません。それでいて外科手術は数十万円もの費用がかかります。

こういったことを総合すると、EDの原因が器質性(身体機能の異常や障害)によるものと断定できる場合に限り、外科手術を検討した方がいいでしょう。もちろん器質性EDであってもバイアグラが有効なケースもありますので、医師が外科手術しかないという診断を下した場合以外はバイアグラを使用した方が安全で確実でしょう。

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